新潟と言えば、日本有数の米どころですよね。
でも実は、新潟は米だけでなく「ナス」の名産地であることをご存知でしょうか。
中でも、幻のナスと呼ばれる「越後白ナス」は、美しい見た目とトロトロ食感で、知る人ぞ知る絶品伝統野菜として注目を集めています。
今回は、新潟の幻のナス「越後白ナス」についてご紹介しながら、新潟とナスの関係にせまってみたいと思います。
新潟の幻のナス「越後白ナス」とは?
新潟の幻のナスと呼ばれる「越後の白ナス」。
その名のとおり、本当に真っ白いナスで、白いドレスをまとった貴婦人の異名もあるんだとか。
越後白ナスとミニトマトを初収穫(^_^)v pic.twitter.com/hInAgDIBQb
— Dr.ねこじゃらし (@Dr_Famicom) 2018年7月3日
越後白ナス。買うと高いんだそうです。 pic.twitter.com/LHVg0pv3Qc
— 柿沢謙二 (@sukebezizy) 2015年8月16日
越後白ナスが白いのは、ナスの紫色素「ナスニン」が含まれていないからです。
もともと真っ白い種類のナスなので、放っておくと紫のナスになるなんてことはないんですね。
また、越後白ナスが幻のナスと呼ばれる理由は、色が白いからということだけではありません。
越後白ナスは、水分が多く糖度が高いため、加熱するとトロっとまろやかな味を楽しむことできるんです。
皮は比較的固いため、実のジューシーさをより感じることができるという特長もあります。
このような食感を活かすため、越後白ナスは焼きナスにして食べるのがおすすめの食べ方になります。
越後白ナスは、新潟市の西蒲区の岩室付近で受け継がれてきた伝統野菜です。
昭和初期にはすでに栽培されていたそうですから、長い歴史のあるナスだと言えますね。
新潟はナス王国!
実は、新潟はナスの作付け面積も消費量も全国一位の「ナス王国」です。
越後白ナス以外にも20種近くのいろいろな種類のナスが栽培されており、調理法によってナスを使い分けるほどです。
ところが意外なことに、新潟のナスの収穫量と出荷量は全国一位ではありません。
新潟のナスの収穫量が少ない理由は、露地もののナスが多いためです。
そのため気候に左右されやすく、収穫時期が6月から8月と短期間に限られてしまいます。
ハウス栽培に比べて自然条件の影響を受けやすく、年間を通しての収穫量は少なくなっているのです。
また、収穫したナスはほとんど自分たちで食べてしまうため、新潟のナスの出荷量は全国でも20位くらいにとどまっています。
露地ものの新鮮なナスを自分たちで消費する、ナス王国新潟ではナスは食卓に欠かせない野菜なのですね。
ところでたくさんのナスを栽培して、たくさんナスを食べている「ナス王国」新潟は、なぜナスを県外に出荷しないのでしょうか。
新潟とナスの意外な歴史とは?
新潟のナスの出荷量が少ない理由は、新潟が古くから米の名産地であったため、お米の出荷で十分な収入を得ることができたからだと言われています。
米で生計を立てることができた新潟では、野菜まで出荷する必要がなかったいうことですね。
そのため、新潟で育てられたナスは自分たちの食料として、いろいろな料理に工夫されてたくさん食べられてきました。
また、新潟では米が美味しいので、ご飯に合うナスのおかずが好まれたという説もあります。
十全ナスの浅漬けは特に大人気で、米の収穫前の夏の保存食として、また塩分補給の目的で重宝されてきました。
私の夫が子供のころ新潟に住んでいたのですが、やはりナスの浅漬けはいつも食卓にあったそうです。
でも、当時はナスが嫌いで浅漬けの美味しさもわからず、いつも何でナスばっかりあるんだ!と思っていたようですが・・・(;’∀’)
ナスの美味しさがわかった今では、もったいないことしたな~とちょっと後悔しているみたいです。
もともとナスはインド原産の野菜です。
湿気と暑さを好みますから、新潟の蒸し暑い夏はナスの栽培にぴったりの気候だったのです。
また、新潟のメインである米作りは春に田植えをして秋に収穫するため、夏の間は繁忙期ではありません。
あまり忙しくない初夏から夏の終わりに収穫できるナスは、米作りをしながらタイミングよく収穫できる野菜でもあったわけです。
このように、ナスの栽培に適した土地でありながら、ナスで生計を立てる必要がないという条件のもと、新潟のナス食文化は育まれてきたのですね。
終わりに
新潟の幻のナス「越後白ナス」から、新潟とナスの関係までご紹介してきました。
煮ても焼いても漬けても美味しいナス。
ぜひいろいろな料理でじっくり味わいたいですね。
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