秋になるとあちこちで真っ赤な花を咲かせる彼岸花を目にすることがありますね。
妖しくも美しい彼岸花ですが、縁起が悪いイメージを持っている人も少なくありません。
今回は、彼岸花が縁起が悪いといわれている理由についてご紹介したいと思います。
彼岸花が縁起が悪い理由は?
彼岸花は縁起が悪い花ではありません。
それでもなぜか縁起が悪いイメージがあることには、いくつか理由があります。
まずひとつ目の理由は、彼岸花という名前です。
彼岸花の名前の由来はただ単にお彼岸の時期に咲くからです。
けれども赤くて独特な花が、あの世の花のイメージにぴったりなため、何となく縁起の悪いイメージを感じてしまいますよね。
ふたつ目の理由は、彼岸花の根に毒があることからきています。
昔は野生動物から土葬したお墓を守るために、毒を持つ彼岸花を墓地の周りに植えていました。
墓地の花のイメージがあることから、彼岸花が縁起の悪い花と考えられているのです。
みっつ目の理由は、彼岸花が飢饉の際の非常食だったことです。
彼岸花の根の毒はリコリンと呼ばれる水溶性のもので、水にさらすと毒性が抜けて食べられるようになるのです。
彼岸花の根からとれる良質のでんぷん質は、飢饉の際の非常食であり、薬にもなる貴重なものでした。
食糧難で苦しい時に食べる彼岸花は、おめでたい食べ物とは言えないため、縁起が悪い花となってしまったのでしょう。
彼岸花には別名がたくさんあり、一説によると千以上の呼び方があるようです。
彼岸花、曼珠沙華、死人花、幽霊花、剃刀花、捨子花、鬼首花、火事花など、地方によっていろいろな名前で呼ばれています。
曼珠沙華は「天界に咲く花」の意味を持っていますが、それ以外は何だか不吉な名前ばかりですよね。
縁起が悪い花とされることの多い彼岸花ですが、迷信やイメージから不吉に思われているだけで、実際には秋の花の1つでしかありません。
庭に彼岸花がいつのまにか咲いていてびっくりすることもありますが、そのせいで不幸が起こる・・・なんてことはありませんので、ご安心くださいね。
彼岸花は摘んではいけない?
彼岸花を摘んではいけない、というのもよく聞く話ですよね。
この謂われにも、縁起が悪いとされることと同じような理由があります。
・彼岸花に毒があることから、誤飲を防ぐように彼岸花を摘んだり持ち帰ることを禁じたため
・むやみに摘んで無駄にしたり、食べたりしないで飢饉の非常食として供えるため
現代では彼岸花を非常食にすることはありませんが、彼岸花を摘んではいけないとされる言い伝えにはこのような意味があるんですね。
彼岸花を持って帰ると家が火事になる?
彼岸花を持って帰ると家が火事になるという話も聞いたことがあるのではないでしょうか。
これも迷信の1つで、彼岸花の赤い色のイメージや彼岸花をむやみに持ち帰らないように戒める意味を持っているのです。
彼岸花のせいで実際に火事になったりすることはありません。
迷信は、不幸になる・よくないことが起こると思わせることで、その裏には生活の知恵的なアドバイスが隠されています。
彼岸花を不気味に思う必要はありませんが、根っこに毒があることは覚えておきたいですね(^▽^;)
終わりに
彼岸花が縁起が悪い花だとされる理由についてご紹介してきました。
最近では、赤だけでなく白、ピンク、オレンジなど様々な色の彼岸花があります。
縁起が悪いイメージはちょっと置いておいて、華やかに咲き誇る彼岸花をゆっくり鑑賞してみてはいかがでしょうかヽ(=´▽`=)ノ
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