通夜や葬儀というのは、たいてい突然訪れるものです。
花粉症の季節や風邪で咳がひどい時に葬儀に参列しなければならない場合、マスクをしていては失礼にあたるのでしょうか。
今回は、通夜や葬儀でのマスク着用についてご紹介したいと思います。
通夜や葬儀にマスクをしててもいいの?
通夜や葬儀の際にマスクをしていてもマナー違反ではありません。
ただし、挨拶の時や焼香の時にはマスクを外すのが礼儀だと考える人が多いようです。
やむをえずマスクを着用して葬儀に参列する場合でも、焼香と挨拶の短時間はマスクを外しておくことをおすすめします。
葬儀の時には、お悔みの言葉も語尾を濁すくらいに述べるのがマナーとされています。
お悔みの言葉は顔をあげてハキハキと述べるより、うつむき加減に静かに短く済ませるほうがふさわしいものです。
結婚式のような慶事には顔を隠すことはタブーとされていますが、弔事には顔を隠すようなマスクをしていても、特にマナー上は問題ないということなのでしょう。
とはいえ、「式」と名のつく場でマスクをしていることを非常識だと感じる人、人と接する時にマスクをしていることが失礼だと感じる人も少なくありません。
通夜や葬儀のようなしめやかな集まりにマスクをしていることを、不快に思う人も多いことでしょう。
受付や葬儀屋の担当者がマスクをしていることに違和感を覚えた、という話も何度か耳にしたことがあります。
弔事でのマスク着用は、マナーよりも気持ちの問題が大きいようです。
また、そもそもその葬儀はマスクをしてでも絶対に参列すべきものなのか、ということも考えてみる必要があります。
親族やよほど親しい人の葬儀ならやむを得ませんが、体調が悪い時にマスクをしてまで参列することがかえって歓迎されない場合もあります。
間柄や状況によっては、参列しないことがエチケット・・ということもありますので、無理をせずに参列を遠慮することを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
葬儀で喪主はマスクしてはいけない?
葬儀の際に、喪主がマスクをしてはいけないというマナーはありませんが、喪主のマスクは控えるべきと考えている人が少なくありません。
葬儀屋さんによると、体調が悪いなら無理をせずにマスクをしても問題ないということですが、やはり周囲の気持ちの問題ということになります。
特に大勢の人が弔問するような大きな葬儀の場合には、喪主になったらできるだけマスクは控えるようにしたほうがいいでしょう。
数年前のことになりますが、私の叔母の葬儀があり、喪主である叔父がマスクをしていました。
叔父も高齢である上に気落ちしているので、体調を崩さないか心配にはなりましたが、喪主だからといってマスク着用が気になるようなことはありませんでした。
少人数の家族葬など、事情のわかる人たちが中心の葬儀なら、喪主であってもマスクをしていても大丈夫なのではないでしょうか。
もしどうしても気になる場合は、葬儀屋さんに喪主がマスクをしていても問題ないか、葬儀の前に確認してみるといいでしょう。
葬儀の時に親族がマスク着用してもいい?
喪主ではなくても、親族だったらマスクをしてでも葬儀に参列しなければならない状況もあるでしょう。
親族がマスクをしてはいけないという決まりはありませんし、マスクをしていてもマナー上は問題ありません。
参列者と同様、焼香や挨拶、受付などでできれば外した方が失礼にならない場合が多いものの、咳エチケットということもあります。
マスク=失礼と思い込んで、咳やくしゃみをまき散らすことこそマナー違反とも言えます。
予防目的や軽い花粉症対策などのマスクは控えた方がいいかもしれませんが、マスクをしないとかえって迷惑になりそうな場合は、マスクをして参列するか、裏方に回るかするといいのではないでしょうか。
終わりに
通夜や葬儀などの弔事のマスク着用についてご紹介してきました。
簡単にまとめると
・葬儀のマスクはマナー違反ではない
・葬儀でマスクは失礼にあたる、という意見も多い
・焼香や挨拶ではマスクを外した方がいい
・受付、葬儀屋、喪主、親族もマスク禁止ではないが、外した方がいいとされることも多い
ということでした。
いざとなると迷うことの多い冠婚葬祭のマナーですが、相手や周りに失礼のないように心を配りたいものですね。
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