お菓子作りのデコレーションに、食紅で色をつけたらいろいろなものが作れますよね。
手軽に使える食紅ですが、真っ赤な粉は何だか体に悪そうです。
今回は、食紅は体に悪いのかということについてご紹介したいと思います。
食紅って体に悪いの?
食紅は、体に良いか悪いかで言えば、体にいいものではありません。
ただし、食紅は食品に色をつけるのが目的であり、一回に使う量はごく少量であるため、体に悪い影響が出るほど口に入れることはないはずです。
たまにお菓子作りに使うくらいなら、食紅の体への影響は特に心配しなくて大丈夫です。
食紅をはじめとする着色料は食品添加物ですが、国の厳しい基準によって使用が制限されているものです。
使用量や使用方法を守っている限り、健康上に問題はないとされています。
厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。
出典:厚生労働省「食品添加物」
それでも、食品添加物は市販の食品にも使われており、毎日少しでも摂り続けることで、チリも積もれば・・・となる可能性がゼロではありません。
食品添加物や農薬などの安全基準は国によっても異なりますし、絶対に健康を害する恐れがないとは言い切れないもの・・・。
体に有害なものは極力摂りたくないと考えるなら、食紅を使うのもやめておいたほうがいいとも考えられます。
食紅は食べなければならない食品ではなく、あくまでも色をつけるためのものです。
体に悪いものを使うことへの不安をとるか、色をつけて食を楽しむことをとるかは、各自の考え方によって判断していきましょう。
食紅って何からできているの?
食紅をはじめとする着色料には、合成の色素からできているものと天然の色素からできているものがあります。
合成の食紅は、石油を原料とするタール系色素からできています。
食用赤色2号、食用赤色102号のように、食用赤色〇号と表記されているものですね。
タール系色素は、発色がよく退色しにくいのが特徴です。
市販されている食紅はタール系色素を使ったものが多く、私の手元にある食紅も赤色102号が使われていました。
一方、天然の食紅は自然由来の色素からできています。
ベニバナ色素・・・キク科ベニバナ
紅麹色素・・・カビの一種であるベニコウジ菌の培養物
などです。
天然色素は、昔から和菓子などに使われおり、自然な色合いを出すことができるという特徴があります。
そして天然の食紅には、虫を原料にした色素もあるのです・・・。
食紅の原料が虫って本当なの?
食紅の赤色を出す「コチニール色素」は、虫が原料になっています。
中南米やスペイン南部のサボテンにつく、コチニールカイガラムシという虫で、別名をエンジムシとも言います。
コチニール色素は、その主成分である「カルミン酸」と表記されることもあり、食品だけでなく化粧品や医薬品などにも広く使われています。
コチニール色素の赤は「カーマイン」と呼ばれていますが、口紅の色名でカーマインレッド、なんてよく見かけますよね。
コチニール色素は、かき氷のシロップのいちご味や、ピンクのかまぼこなど身近な食品にも使われているようです。
原料になっている虫の画像は、検索しないことをおすすめします(;゚∇゚)
虫嫌いの人にとっては、ある意味合成色素より衝撃的なコチニールですが、ごくまれに重篤なアレルギー症状も報告されています。
平成24年には、消費者庁より注意喚起が出されています。
急性のアレルギーを発症した場合、呼吸困難などの重篤な症状となる可能性もあるため、消費者庁として注意喚起を行います。
万が一、コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、かゆみなどの対象の変化を感じた場合は、すみやかに皮膚科やアレルギー科の専門医を受診してください。
出典:消費者庁 コチニール色素に関する注意喚起(PDF)
コチニール色素に関するアレルギーについては、コチニール色素そのものではなく、こく微量の不純物が原因であるとの意見もあるようです。
アレルギーを起こすことは非常にまれですが、天然の色素だからといって絶対に安全とは限らないということですね。
終わりに
食紅は体に悪いのか、ということについてご紹介してきました。
まとめると・・・
- 食紅は体にいいものではないが、安全性は厚生労働省で確認済み
- 家庭で少量使う分には体にそれほど影響はない
- 食品添加物は摂らないに越したことはないのも事実
- 合成色素、天然色素がある
- 虫を原料にしている色素もある
ということでした。
安全は目に見えませんので、認可されているから絶対に安心とは言えませんが、こだわり過ぎると食べるものがなくなってしまうのが現代日本の現実です。
食紅についても、よく考えて判断するようにしたいですね。
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