お宮参りの着物を七五三のために仕立て直したものの、下の子のお宮参りにもう一度使いたいことってありますよね。
一度仕立て直した着物を、もう一度ほどけばOKなのでしょうか。
今回は、七五三の着物をお宮参りの産着に戻すことについてご紹介したいと思います。
七五三の着物を産着に戻すには?
七五三用に仕立てた直した着物を、お宮参りの産着に戻して使うことはできます。
3歳用の一つ身の着物であれば、仕立て直した手順を逆にしていけばOKです。
- 肩あげ、腰あげをとる
- 腰ひもをとる
- 背中で結ぶひもをつけ直す
- 丸く綴じた袖をほどいて大名袖に戻す
襦袢は正式にはあったほうがいいのですが、寒くなければ襦袢なしでも問題ありません。
襦袢も使う場合は、つけ袖を付け、半襟を外します。
ところで、産着に戻した着物は、また3歳の七五三で着せることになりますよね。
そこで、最低限の手順で産着として使うためには、
- 肩上げ、腰上げをとる
- ひもの付け直し
まですれば、お宮参りの掛け着らしくなります。
それなりに恰好がつけばいいんだけど・・・という場合には、簡単に済ませてもいいでしょう。
産着に戻す作業は、七五三用に仕立て直したところをほどいたり、ひも縫い付けたりするくらいなので、やろうと思えば自分でもできるものです。
ですが、着物の扱いに不安があったり、うまくできるか心配な場合は、呉服屋さんや和装クリーニング店などで相談して依頼してみることをおすすめします。
お宮参りの着物の袖はほどいた方がいい?
お宮参りの着物は袖口を綴じていない「大名袖」ですが、一度仕立て直した丸袖をほどかないで使う人も多いようです。
袖をほどかない理由としては、
- 袖にカーブをつけて縫ってあるので、ほどくとシワが寄っていて、きれいに直すのがむずかしいから
- 七五三でもう一度着せたいから
- 身内のお祝いなので、そこまでしきたりにこだわっていないから
お宮参りの着物に肩上げ、腰上げがあると目立ちますが、袖はそれほど気にならないものです。
本来のお宮参りのスタイルとしては、綴じた袖をほどいて大名袖にすべきところですが、自分たちが気にならなければそのままの袖でも産着として使うことができます。
お宮参りの着物が大名袖になっている由来は?
お宮参りの着物が大名袖になっている由来には、諸説あります。
一般的に知られているのは、以下のような謂われです。
由来その1
古来、生まれたばかりの赤ちゃんは布で包んでいたため、袖のない着物を使う習慣が残った。
由来その2
生まれて間もない赤ちゃんは魂がまだ落ち着かないと考えられていた。
そのため、魂が抜けてしまっても、すぐにまた入ってこられるように袖を開けておいた。
由来その3
お宮参りは生後初めて神様にお詣りするしきたりであるため、神殿の装束を模している。
昔は、赤ちゃんが無事に成長することは、今よりも大変なことだったはずです。
お宮参りの着物の大名袖には、赤ちゃんの健やかな成長を願って神様に詣でる親心が込められているのかもしれませんね。
終わりに
七五三用に仕立て直した着物を、下の子のお宮参りの産着に戻すことについてご紹介してきました。
簡単にまとめると、
- 肩上げ、腰上げをほどく
- 腰ひもをとり、背中で結ぶひもにつけかえる
- できれば袖をほどく
- 襦袢のつけ袖付け、半襟はずしなど適宜
ということでした。
姉妹で同じ着物を着せてのお宮参りや七五三が、心に残るお祝いとなりますように・・・。
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