健康のために玄米を食べている人も多いはず。
でも、玄米を食べると胃痛や吐き気がしたり、下痢や便秘になったりと、何だか体調が悪くなった気がする・・なんてことはありませんか。
今回は、玄米で胃痛や吐き気など消化不良の症状が出る場合の原因についてご紹介したいと思います。
玄米で胃痛や吐き気が起こる?
玄米で胃痛や吐き気が起こる人は大勢います。
実は、私もその一人です・・・・。
玄米で胃痛や吐き気が起こる原因は、
・消化が悪いこと
・毒性のある成分が含まれていること
などが考えられます。
玄米とは、米糠や胚芽がついたままで精製されていない米のことです。
玄米の状態では、米が固いセルロース(食物繊維)で覆われているため、中の栄養を吸収しづらく、消化が悪い食品です。
胃腸が弱い人や消化力が弱くなっている時には、消化の悪い玄米を食べることで胃痛や吐き気を起こしてしまうのです。
また、玄米の発芽に関わる成分である「発芽抑制因子(アブシジン酸)」には毒性があります。
発芽抑制因子は「発芽毒」とも言われ、植物が発芽に供えて自分の種を守り、栄養を蓄えるために働くメカニズムのことです。
消化不良だけでなく玄米の発芽毒も、胃痛や吐き気を起こす原因の一つだと言われています。
玄米はビタミンB群を始め、豊富なミネラルを含む栄養価に優れた食品です。
しかし、消化の悪さと発芽毒の影響が大きな欠点でもあります。
玄米の消化力の悪さは、
・炊飯器でなく圧力鍋で炊くこと
・よく噛んで食べること
などで、多少カバーすることができます。
また、発芽毒を無害にするには、玄米を水につけて発芽させてしまうことです。
玄米は、万人が常食するような健康食品ではありません。
消化力によって向き・不向きのある食品ですので、自分の体調や体質をよく観察しながら、玄米を食べるべきか判断していくといいでしょう。
炊飯器で白米と同じように炊いた玄米を、早食いで流し込む・・・というのは、胃腸が丈夫な人でもかなりの負担になりますので、ご注意くださいね。
玄米は消化不良で下痢になる?
玄米を食べると、消化不良で下痢を起こすこともあります。
これも、
・消化の悪さ
・発芽毒
が原因になっていることが考えられます。
また、玄米の残留農薬が下痢や消化不良の原因になっているとも言われています。
下痢には体の異物を出すための働きがありますので、消化の悪い玄米を食べたことよりも、玄米の毒性にやられている可能性が高いと言えるでしょう。
その場合は、無農薬の玄米や、発芽させた玄米を食べることで、下痢や消化不良を改善できる可能性があります。
あるいは、もともと便秘体質でない人が玄米の食物繊維を大量にとることで、便通がよくなりすぎるということもあります。
どちらにしても、玄米を食べて下痢が続くような時には、食べる量を減らすか無理をせずに一旦お休みして、様子をみてみることをおすすめします。
玄米では便秘が治らない?
玄米を便秘解消目的で食べる人も多いですね。
しかし、残念ながら玄米を食べることで、かえって便秘になってしまうことがあります。
玄米って食物繊維が豊富だから便秘に効くんじゃないの?と思われていますが、必ずしも全員に当てはまるわけではないのです。
これは、玄米の食物繊維の種類と便秘の種類の相性によるものです。
食物繊維には大きく分けて2種類あります。
・水溶性食物繊維・・・海藻、果物など
・不溶性食物繊維・・・玄米、豆、芋など
水溶性食物繊維は、水に溶けるため便を柔らかくする作用があります。
玄米に含まれる不溶性食物繊維は、消化できない繊維として腸を通過することで、便のカサを増し、腸の蠕動運動を活発にする作用があります。
一方、便秘にもいろいろな種類があります。
・弛緩性便秘
・痙攣性便秘
・直腸性便秘
弛緩性便秘は、腸の動きが弱くなっているため、便を送りだす力がない便秘です。
痙攣性便秘は、腸の動きが過敏になり過ぎて便の水分調節がうまくいかず、下痢と便秘を繰り返す状態です。
直腸性便秘は、便が直腸まで来ているのに、便意を感じなかったり、排便できない原因があって肛門の奥でとどまっている状態の便秘です。
この中で、玄米に含まれる不溶性食物繊維で便秘を解消できるのは、「弛緩性便秘」のみです。
腸の蠕動運動を促し、便のカサを増すことがプラスに働くからです。
痙攣性便秘、直腸性便秘は、不溶性食物繊維が便を大きく固くしてしまうことで、便の動きが悪くなり、余計に便秘が悪化してしまいます。
玄米を食べて便秘になってしまう人は、痙攣性便秘、直腸性便秘の可能性があります。
このタイプの便秘解消には、便に水分を与え柔らかくするために、水溶性食物繊維をとることをおすすめします。
終わりに
玄米を食べることで、胃痛や吐き気、下痢、便秘などの不調が出ることについてご紹介してきました。
私も胃腸が弱く、消化力があまりよくない体質ですので、玄米の味は好きですが、食べると胃が痛くなってしまうタイプです。
玄米に限らず、食品には長所・短所があり、体質に合う・合わないということもあります。
それぞれの食品の特徴を理解した上で、自分の体質に合ったものを適量食べるのが、健康のために大事なことではないでしょうか。
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